宮古島の秘郷・大浦部落

大浦(うぷら)は宮古島の中心地から車で10分。市内にも近く、古くからある由緒ただしい部落です。 それなのに、島の人々にも「大浦ってどこにあるの?」と言われてしまう不思議なところ。 観光名所はないけれど素朴で楽しい大浦部落に住む、早期退職オヤジの暮らしを紹介します。 (注:沖縄では集落のことを部落と呼びます。差別的な言葉ではありません)

ベーコン作りは以前にも紹介していますが、さらに手軽な作り方を見つけたので改めてご紹介。
塩漬けと塩抜きまでは前回を参考にしてね。

以前は塩漬け・塩抜きした肉を熱しながらスモークしてましたが、今回は過熱とスモークの過程を分離しました。これで加熱の温度管理が断然容易になり、スモークもラクチンになりました。

その簡単な加熱法がこれ。
肉をジプロックして50~60℃のお湯の中に漬けて4時間くらい保温する、いわゆる「低温調理法」です。
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うちはシャトルシェフという鍋ごと魔法瓶みたいに保温できるものを使っているんで、途中で何度が温度を確認して、温度が下がったらお湯を入れ替えています。
そんな面倒なことをしなくても低温調理機を使えば一発です。
昔は2万円近くしましたが、近頃は手ごろな値段になっているので、こっちを買ってもいいかも。
ほかにもいろいろ使い道はありますしね。


これは1個400~500gくらいなんですが、50~60℃4時間で、こんな感じで加熱処理ができます。
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これを石窯にいれて、スモークウッドで燻すだけ。
後ろに熾火があるのは、パンを焼いた後の残り火で、特に火は必要ありません。
むしろ石窯の温度が60℃以下に下がるまで待たないとならないので、面倒w
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スモークウッドは一度火を付ければ、密閉したところでも消えません。
スモークチップだと加熱しないといけないので、火の扱いが面倒なんですが、スモークウッドは蚊取り線香と同じで、火をつけて入れておくだけ。超簡単で段ボール箱の中でも使えます。肉はすでに低温調理で加熱してあるので、スモークの段階で熱を加える必要はありません。

スモークウッドはホームセンターや百均で4~500円で売ってます。
この状態で入り口に蓋をして2~3時間放置すると、こんな感じのベーコンができあがり。
ついでにゆで卵も燻製に。
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ベーコンを作ったらお約束のカルボナーラ♪
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大変ご無沙汰しております。
昨今の乱開発と、今までにない観光客の大量来島で、すっかり書く気を無くしておりました。
まぁ、その手の話は炎上ネタになるといけないんで、触らずに。。。。w

うちは普段から自粛生活みたいなもんなので、コロナの自粛騒ぎでも特に変わりもなく粛々と暮らしています。
今日は新しいパンの焼き方を試したら、思いのほか上手くいったのでご報告。

ライ麦50%のドイツ風固焼きパンです。

ポイントは粉を捏ねずに「混ぜるだけ」にすること。
まずは種生地を作ります。

ライ麦粉250gに、
全粒粉30gくらい
サワー種20gくらい
ドライイースト小さじ半分くらい
砂糖小さじ2くらい
ヨーグルト適当
水150mLくらい

を菜箸でぐーるぐるかき混ぜます。均一に混じらなくても、なんとなく粉っぽさがなくなるくらいでOK。混ぜすぎないのがポイントです。

それで、室温(25~30℃)で2時間くらい放置すると、なんとなくデロ~ってしてくるので、そのまま冷蔵庫に一晩放置。
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翌日、この種生地に強力粉250gとサワー種20gくらい、ドライイースト小さじ半分、塩少々、を加えて、水100~150mLを入れて、ざっくり混ぜます。ここでも捏ねない!
なんとなく、まとまればOK。
生地はかなり柔らかめで、けっこう手にベトつきます。
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これを2倍くらいになるまで一次発酵。だいたい2~3時間くらいかな?
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けっこうデロデロで、手で持ち上げるとビロ~ンってなるくらい柔らかい。
手にベトベト付くので打ち粉を多めにして、軽くまとめて、切れ目を入れる。
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これでベンチタイム30分くらいで落ち着かせる。
その間に石窯とダッチオーブンを予熱。
250℃くらいまで上げるので結構ガンガンに火を焚きます。
火が勿体ないので昼飯はピッツァ。
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火力が強いから3分くらいで焼けます。
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ダッチオーブンが250℃くらいに温まったら生地を入れて、霧吹きして、そのまま石窯で10~15分くらい焼きます。もちろんピッツァを食べながら。
火加減が均等になるように、ダッチオーブンの向きを変えなきゃいけないんで、石窯に付きっ切り。夏だと軽く地獄です。
ダッチの上に乗ってるのは芋。一度火を起こしたら徹底利用(笑)
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強火で10~15分焼いたら、少し火を落として30分くらい焼く。
ダッチオーブンの温度が180℃くらいかな。まぁ、150~200℃の間で、って感じで。
入り口を狭くすると火が落ちるけど温度は落ちないで安定します。
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最後にひっくり返して裏側も焼いたら出来上がり。
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切ってみると、強力粉とライ麦がちょっとマーブルになってるけど、気泡がたくさんはいったフンワリとした食感になりました。
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夏も過ぎて涼しくなってきたので、ベーコン作りの季節♪

家庭でベーコンを作るために、こんなスモーカーが売られています。
まぁ、5,000円前後で売っているので、これでもいいんですが手近なものでできないかなーと思って、いろいろやってみました。

基本は、スモークチップを燻らす+温度を7~80度あたりで3~4時間キープ の二つの要素があれば良いわけです。
横浜にいた頃は、なぜか家にダルマストーブがあったんで、その上に段ボールの筒を置いて燻してました。段ボールに刺さっているのは温度計w
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宮古島に引っ越してからは、オイル缶とバーベキューグリルで作っていました。
オイル缶の底にスモークチップを置いて、缶全体を下から炭で炙って温度をキープします。
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オイル缶はガソリンスタンドやバイク屋などで空き缶を貰ってきます。
すぐに錆びるので1年に1、2個使う感じ。
バーベキューグリルは熱が逃げるので、七輪のほうが効率的です。
温度管理もしやすいので、これが一番簡単かも。

温度管理は非接触の赤外線温度計を使っています。
石窯でパンやピザを焼く時にも便利♪
私が使ってるのはこれ。

で、今回はオイル缶が錆びてボロボロになったんで、ダッチオーブンでできないかなーと思ってトライしてみました。

下ごしらえ
ベーコンは塩漬けの肉を煙で燻して作るので、まず最初に塩漬け肉を作らなければなりません。

普通のベーコンには豚の三枚肉(バラ肉)の塊を使います。沖縄ではラフテー用の豚バラブロックが安く手軽に入手できるのが嬉しいです。
ベーコンにはロースやショルダーで作るものもあるので、そのうちそっちも試してみたいですね。

サンエーで売ってる豚バラの塊は1個が大体600~700gなのでちょうど良いサイズです。
これを塩水に漬けて1週間ほど冷蔵庫で寝かせます。
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塩水といいましたが、塩だけではなく、醤油、砂糖、ローリエ、セージ、オレガノ、クミン、ナツメグ、胡椒、ウィスキー、味醂などを入れています。ニンニク、玉ねぎ、セロリなどの香味野菜の切れっぱしを入れる人もいるようですが、スパイス類はお好みで。
大事なのは塩分濃度を15%くらいにすることです。
15%食塩水。水100㏄に塩15gです。まぁ、大体そのくらいの塩加減って感じで、一度火にかけて煮立たせて、冷めてから肉を漬けます。

塩水に漬ける前に肉をフォークでブスブス刺して穴を開けておくと、塩が中まで浸透しやすくなります。スパイス類はその時に肉に擦りこんだほうがいいですね。

5日~1週間くらい冷蔵庫に保存したら塩抜きをします。
塩抜きをしないと肉の表面だけ塩辛くなっちゃいますから、水に漬けて表面の塩を抜いてやるんです。
水を2、3回取り換えながら30分から1時間。
塩抜きの時間は、塩の漬かり具合で変わります。
時々、肉の端っこを切ってフライパンで炒めて味見をして、自分好みの塩加減になるまで塩抜きをしてください。塩を抜きすぎると保存性が悪くなりますんでご注意を。
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塩抜きができたら冷蔵庫で1日乾燥させて下準備は完了です。
寒いところだと軒下にぶら下げて風に当てたほうが美味しくなるんですが、沖縄は暑いし、鳥や猫の餌になるのも嫌ですし、冷蔵庫が一番です。

燻製
ベーコンの香りは燻す木の種類によって変わります。
燻製用に色々な木のスモークチップやスモークブロックが、ホームセンターなどで売られています。
私は桜かヒッコリーのチップが好きです。ヒッコリーの方がちょっと大人な香り。
いろいろ試して自分の好みを見つけてください。
スモークチップよりも、一度着火すればずーっと燻りつづけるスモークブロックの方がお手軽かも。


今回はダッチオーブンでの作り方を紹介しますが、オイル缶を使う時も基本は同じです。
底にスモークチップを敷いてダッチオーブンを予熱。
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スモークチップの上に熾火を置いてチップを燻らせます。
スモークブロックでしたら着火しておいておけばいいだけなので、とても簡単。
ザルが伏せてあるのは、この上に網を載せるからです。
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チップから煙が出始めたら肉を置いて
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蓋をします。チップを燻すために蓋は少しずらしておきます。
隙間から煙が出ているのがわかりますね。
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この煙が出なくなったらチップを足したり、熾火を足したりします。
ヤケドしないように革手袋をするなど、ご注意くださいね。軍手じゃだめよ。
だいたい70~80℃になるように焚火の火を調節します。
この焚火の火加減にちょっとコツがいりますね。
火が強いとローストポークになっちゃいますから、弱火優先で。
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ダッチオーブンは分厚い鉄でできているので、フライパンのようにすぐに中の温度が上がったり下がったりしません。ですんで、火が消えかけたら薪を足す、火が強かったら薪を引く、って感じで適当に調節していればなんとかなります。
これで3~4時間(肉の大きさによります)スモークすればベーコンの出来上がりです。
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出来上がったベーコンは冷蔵庫で1日寝かせると、煙の臭いがやわらいでベーコン本来の旨味がでます。
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中はこんな感じ。調理して食べるものなので、少々生焼けでも早めに食べれば大丈夫です。
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焚火の中に芋を入れておけば、一緒に焼芋もできます(笑)
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オイル缶を使ったスモーカーだと熱源と肉の距離があるので加熱しすぎる心配がありませんが、逆に温度があがらず、スモークの時間が長くなります。低温で長時間スモークした生っぽいベーコンを作るにはオイル缶スモーカーのほうが便利です。
ダッチオーブンはその反対で、温度は上がりやすいし、キープしやすいんですが火が強く入りやすく、火加減に慣れが必要です。

どちらも一長一短ですが、うちは月に2,3回ベーコンを作るので、手軽につくれるダッチオーブンを愛用しています。間違ってローストポークになっても、それはそれで美味しいですしね(笑)
燃料も炭をつかわず、そのへんの枯木や廃材でできるんでお得。
ベーコンを作った残り火でシチューを煮込んだりできるんで、ベーコン作りは一石二鳥。

自家製ベーコンでつくるカルボナーラは美味しいですよ~♪
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前回記事から随分と間が空いてしまいましたが、より安全に、楽しく、環境を破壊しないためのシュノーケリング法についてのお話です。
長文で、参考機材の紹介リンクも貼ってありますんで、お時間のある時にお読みください。

本ブログに書かれていることを行うにあたっては、全て自己責任でお願いいたします。

シュノーケリングはサンゴを壊す
これは宮古島市某所のリュウキュウキッカサンゴの群落を撮影した動画です。

知らない人が見れば綺麗なサンゴに見えるかもしれませんが、この種のサンゴは本来は下の写真ように綺麗な花弁の姿に育つものです。
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この薄くて脆い花びらが壊されたのが動画の状態です。
海中にはこのような花びらの欠片がいたるところに散乱しています。
Broken Coral Big
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その原因の多くはこれ。
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もちろん台風などの波で海中の岩が転がってサンゴを壊すこともあるのですが、シュノーケル客が増えるとサンゴの損傷が目立って増えるのも事実です。それはシュノーケリングに慣れない観光客が立ち泳ぎをして、サンゴを蹴ってしまうことが原因でしょう。実際、そのような姿を何度も目にしています。
これはスキューバダイビングのように講習やトレーニングを受ける必要がなく、お手軽にできてしまうシュノーケリングならでは問題です。

ガイドがついていても環境保護についての注意がおろそかなこともよくあります。
シュノーケリングガイドはスキューバと違って各種専門団体による認定制度はありませんし、タンクの貸し出しのような設備投資も不要なので、ガイドを自称してネットで集客をすれば誰でもフリーのガイドとして収入を得ることができます。
そのためガイドの質は玉石混交の状態で、中には技術、知識、環境保全意識の低いガイドがいるのも事実です。
自らサンゴを踏みつけにして客と会話しているガイドを目にしたこともあります。
行政が介入してガイドの許認可制とルール作りなどの措置が行われない限り、このような業者の観光シュノーケリング業によるサンゴの破壊は止められないでしょう。

それは、登山者しか来なかった山にロープウェイができると観光客が大挙して押し寄せ、高山植物を踏み荒らすようになってしまうのと同様で、観光化、リゾート化の弊害として避けられないものかもしれません。
そんな中でも、観光シュノーケリングでサンゴや海のすばらしさに触れ、これからも沖縄の海でシュノーケリングをしようと思った方がおられたら、正しいシュノーケリングの方法をおぼえて、少しでもサンゴに対して気を使ってくれるようになればいいな、と思います。

なぜ立ち泳ぎをするのか?
シュノーケリングや素潜りの鉄則は、
「海の中の物には一切手を触れない」
ことです。もちろん手だけではなくフィンが当たってもいけません。
シュノーケリングガイドの中には「十分な深さがあることを確認して立ち泳ぎをさせている」と言う人もいますが、立ち泳ぎをしている間に流されて、フィンがサンゴに当たってから気づくというのは良くあることで、これがサンゴを壊す原因の一つになっています。
ですので、基本的に
「立ち泳ぎは厳禁」です。
また、腰くらいの深さになると立って歩こうとする人もいますが、それだけの深さがあると海底には小さなサンゴが発育していますので、そのサンゴを踏みつけることになります。
ですのでシュノーケリングの流れとしては、
膝の深さになったら泳ぐ⇒泳いでる間は立ち泳ぎをしない。常に水泳の姿勢を保つ⇒波打ち際に戻ってくるまで歩かない。
が鉄則になります。

では、なぜシュノーケリングに慣れない人は立ち泳ぎをしたがるのでしょうか?
これは単純にシュノーケリングに慣れていない、水に慣れていないことが原因です。
水が怖く、シュノーケリングにストレスを感じているから顔を上げようとするのです。

私も経験の浅い友人のシュノーケリングに同行することがありますが、彼らは決まって顔を水面に上げようとします。
その理由を聞くと
「マスクに水が入った」
「シュノーケルの水が抜けない」
「息苦しくなった」
と言います。
しかし、これは実際にマスクやシュノーケルに異常なほどの水が入っているわけではありません。シュノーケリングなら普通の状態の少量の水が気になっているだけのことです。

つまり、シュノーケリングに対する知識の不足、機材の扱いの未熟、水に対する心理的なストレス、基礎的な水泳力が無い、といったことが原因です。

これ以上サンゴを壊さないために、今回はシュノーケリングの基礎的な知識と技術についてお話します。
また、シュノーケリングを毎年1回でもやろうという方は、最低でもマスク、シュノーケル、フィンの3点セットは自前で用意すべきです。これがあれば近くの海水浴場でも水中世界を楽しむことができます。三点セットは必ず自前で!
セットを揃えても1万円でお釣りがくるので、結局はレンタルよりも安上がりです。自前の道具を揃えるのを厭う人は登山道具も持たずに山に登る人のようなもので、そもそもシュノーケリングをやる資格が無いと思います。
三点セットの選び方について、初心者と上級者のそれぞれのポイントについても解説します。

水は入るもの
アタリマエのことですが、シュノーケルはただの筒なので筒先から水が入ってきます。
マスクも顔の筋肉がうごけば、わずかな隙間から水が入ってきます。
大事なのは「水が入ってきても驚かない」こと「少しくらいの水はアタリマエと思う」ことです。
マスクの内側が曇った時にはマスク内に水を入れてガラス面を洗うこともあります。当然、内側には若干の水が残ります。
水の中にいるのですから「完全ドライ」はあり得ません。単なる馴れの問題です。

シュノーケリング・ベストについて
これを書くと賛否両論、喧々諤々の論議になると思うので、あくまで私個人の考えとしてお読みください。
近頃はシュノーケリングの必需品としてシュノーケリングベストの着用が推奨されています。
これは見てわかるとおり船が難破した時に使うライフベストと同じものです。
飛行機に乗ると「膨らみがたりない時は両側の筒を吹いて~」とやる、あれと同じ。
本来の機能は「強制的に顔を水面に出した状態にすること」であり、水泳の姿勢を取るためのものではありません。
つまりシュノーケリングベストを着用していると上半身に浮力が働き、自然と立ち泳ぎの姿勢になるのです。
シュノーケリング中にはシュノーケルとマスクを着用しているのですから、顔を水面につけて水泳の姿勢を取っていれば身体は自然に浮きますし、その状態で呼吸も確保できますから、顔を強制的に水面に出すようにするシュノーケリング・ベストは本来は必要のない物です。

潮流に流されるなどの事故時の浮力確保が目的であれば、ウェット・スーツを着用するべきです。
なぜならば漂流時には浮力確保と同時に体温の確保も必要になるので、体温確保ができないシュノーケリング・ベストでは役に立たないからです。
高品質の3㎜ウェットスーツでも1万円ちょっとで買えますし、安いものを探せば5~6千円のものもあります。
ウェットスーツは全身に浮力が働くので正しい水泳姿勢を楽に取ることができますし、もちろん立ち泳ぎ姿勢でも十分な浮力が確保されます。
フルスーツのほうが体温保持の効果は高いのですが、着脱が面倒という人はセパレートで上下を揃えてもよいでしょう。

夏の沖縄なら1.5㎜~3㎜で十分です。私は冬でも3㎜のフルスーツで泳いでいますが(笑)

シュノーケルの正しい使い方
シュノーケルはスキューバダイビングのレギュレーターではないので、水中に没した状態での呼吸はできませんし、筒先からは水が入ります。
水面を泳いでいる時でも顔を傾ければ水が入ってきますし、波が被っても水が入ります。
ですから「常に水が入ってくることが前提」と思ってください。

具体的には、不意に水が入ってきても、それがいきなり気道や肺に入らないように、シュノーケルを咥えた口を舌で軽く塞ぐようにして、息は小さく細かく吸います。一気に大きく息をしてはイケマセン。
逆に吐くときには、筒の中に残った水滴を吹き飛ばすように、一気に大きく強く息を吐きます。
常にスッ、スッ、スッ、スッと吸って、ブホッ!っと吐くように呼吸します。
水面を泳いでいる時でも、不意に水が入ってきたときに、それが気道や肺に入らないように、常にこのような呼吸をすることが大事です。

シュノーケルの選び方
シュノーケルには排水弁がついたものと、単なる筒のものがあります。
黒がただの筒、ピンクが排水弁付きです。
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排水弁付きのほうがシュノーケル内の水を吹き出すのが楽ということで、特に女性などにはこちらを勧めることがあるようですが、先に説明した正しい呼吸法ができれば排水弁がなくても問題はありません。排水弁はこのようなワンウェイの蓋(シリコン製)ですが、ここに砂粒が噛んだりすると浸水の原因になりますし、このバルブが壊れたらシュノーケルとして役に立ちません。
海の中ではトラブルの原因を極力減らしたいので、私は排水弁が無いシンプルなものを使っています。
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シュノーケルは単体で買うよりも、マスクとのセットで売っている物を買ったほうが安上がりでしょう。一流メーカーのマスク・シュノーケルのセットでも、安いものは3000円前後で売っていることがあります。(このセット、安売りの時は2000円を切っていましたw)


潜水時(素潜り)のシュノーケルの使い方

潜水すればシュノーケルの先から水が入って来るので呼吸はできません(アタリマエ)。潜水中は息を止めておいて、海面に戻ってからシュノーケルの中の水を一気に吐き出すようにするのが基本です。
2~3mの深さに短時間潜る時にはそれでも良いのですが、魚の写真を撮るために水中で30秒以上息を止めたり、5m以上深く潜るといった素潜りをする人は、シュノーケルを口から外したほうが良いでしょう。
その理由は主に3つです。

1.溺水リスクを減らす

シュノーケルを咥えて水中にいるということは肺と水中がつながっていて、それを喉で塞いでいる状態ですから、何かあったときには水が肺に入って来る危険があります。
シュノーケルを外して口を閉じていれば物理的に水が入ってきません。なんらかの理由で水中で意識混濁や意識喪失を起こした時に肺に水が入らないよう、水中で息をこらえたり、深く潜る時には口からシュノーケルを外して口を閉じておいたほうが安全です。

2.呼吸再開時のリスクを減らす
水中で息をこらえて苦しくなってから水面に上がってきた時、体内は軽い酸欠状態になっています。そこで海面に戻ってきた時にシュノーケル内の水をクリアするために大きく息を吐くと、肺の中の空気が一気にぬけて酸欠になり、意識を失う危険があります。
シュノーケルを咥えていなければ、海面に顔を出して、小さく素早い呼吸を繰り返すことで安全に肺の中の空気を入れ替えることができます。

3.耳抜きがしやすい
水深2~3mになると水圧で鼓膜が押されて耳が痛くなります。これを均圧するために息を耳管から耳の内側に送ることを「耳抜き」といい、これは素潜りに必須の技術です。
やり方は、鼻をつまんで口の中の圧を高めて時間に空気を送る方法が一般的ですが、シュノーケルを外して口を閉じていたほうが、耳抜きがやりやすくなります。

シュノーケルの点検
シュノーケルはシリコンやゴムでできているので劣化すると亀裂が入ります。しばらく使っていなかったシュノーケルを使う時には亀裂がないか点検しましょう。
排水弁付きのものは排水弁に異常がないか確認しましょう。
点検法は、シュノーケルの口の部分を指で塞いで反対側を咥えて吹いてみます。亀裂があればそこから息が漏れるのでわかります。
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ちなみにこのシュノーケル、亀裂にしばらく気付かずに使っていました。
意外と浸水しないもんですね(笑)

マスクの使い方
マスクは正しく装着すれば、さほど使い方に気をつかうことはありません。
装着時の注意点としては、マスクと顔の間に髪の毛をはさまないこと。
髪の毛がはさまっていると、そこから水が浸入します。

新品のマスクは曇りやすいので、マスクの内側を中性洗剤でよく洗い、できれば1日くらい中性洗剤を薄めた水につけて、マスクの内側の油分を洗い流しておきます。使用時には曇り止めを使ったほうが良いでしょう。

いろいろな曇り止めが売られていますが、どれも大差ないように感じます。絶対に曇らない曇り止めは見たことがありません。
無意識に鼻で息をしているとマスクが曇りやすくなるので、水中マスクを装着している時は、常に軽く鼻から息を吸っている状態にしていると曇りづらくなります。

マスクに水が入ったら
鼻の穴が隠れるほどの大量の水がマスクにはいったら、マスクの上を額に押し付け、鼻の下を少し持ち上げて鼻からゆっくりと息を出せば、マスク内の水は外に出て行きます。立ち泳ぎをしなくても、前をみるように少し顔を持ち上げるだけで行うことができます。
この動画がわかりやすいので参考にして、お風呂の中で練習してください。

どうしても水中でやりづらいなら背泳ぎをしてマスクを浮かせば水は顔を伝って出て行きます。背泳ぎをする時はシュノーケルから水が入って来るので、シュノーケルは口から外してくださいね。

普通はマスクが顔に正しく装着されていればそれほど大量の水が入ることは、まずありません。
多くのシュノーケリング初心者が「マスクに水が入る」と言うのは、わずかな水がマスクの鼻の下に溜まっているような状態です。顔を動かすと上唇の動きでわずかな水が入ってくるので、それが不快にかんじるのです。しかし、鼻に入ってこない程度の水分ならば問題ありません。わずかな浸水は「そーいったもの」と慣れるしかありません。

マスクの選び方
マスクにはいくつか種類があります。
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左が単眼、右が複眼のマスク、上段は普通のマスクで、下段は内容積の少ないローボリュームマスクです。
単眼のマスクのほうが視界が広く、スカート部分がクリアシリコンのものは視野が明るく感じるので、初心者には単眼のクリアシリコンマスクが良いでしょう。
アマゾンや楽天でいろいろな物を売っていますが、普通のシュノーケリングに使うのに問題があるような製品はないと思います。心配ならばGull、TUSA、クレッシー・サブ、Mares、Aqualungのような一流メーカーの物をえらんでおけば間違いないでしょう。マスク・シュノーケルのセットで5000円以下で買えます。

ダイビングショップなどで実際に装着できるようなら、ストラップをかけずにマスクを顔に当てて鼻から軽く息を吸ってみます。それで手を離してもマスクが顔から落ちないようであれば、そのマスクは顔に合っています。普通のシュノーケリング、ダイビング用のマスクであれば顔に合わないということは、あまりないでしょう。

ローボリュームマスクは水深10m以上の素潜りをする人が使う特殊なものです。
水深が深くなると水圧でマスクの中が負圧になって顔が絞られるマスクスクイーズという現象が起こります。放っておくと目が内出血することもあるので、これを解消するために鼻からマスクに息を送り込んで水圧と均衡させるマスクブローが必要になります。
10m以上潜るような人にとってはマスクブローの空気ももったいないので、スクイーズを最小限にする内容量の少ないマスクを使うのです。
海外では水中銃で魚を獲るスピアフィッシングを趣味としている人が多いので、このようなローボリュームマスクがいろいろと開発されています。また、フリーダイビングの選手もこのようなマスクを使用しています。ただ視界が狭いので周囲に注意しないと思わぬところにぶつかったりします。
まぁ、特殊用途のマスクなので一般のシュノーケリング愛好者には関係のないものですね。


ローボリュームマスクは海外の製品が多いので日本人の顔に合わないものも多く、使い勝手の良さは使ってみるまでわからないところがあり、ハマると散財する羽目になります。製造メーカーは、クレッシー・サブやMaresのほかに、OMER、Salvimar、Picasso、Sporasubといったスピアフィッシング系のメーカーから、いろいろと革新的なものが発売されています。
↓ 内容量が極端に小さい曲面構成のマスク。顔に合う合わないの相性がシビアです。

近視用の度付きマスク
近視の人用に度付きのマスクが販売されています。
また、水中マスクの内側にセットするメガネも販売されています。
古い眼鏡のつるを外してマスクの内側にセットしている人もいます。
私と相方は使い捨てコンタクトレンズを使用していますが、今までそれが原因でトラブルになったことはありません。海外のダイバーはコンタクトレンズを使うのが普通のようです。
目に海水が入ると雑菌がコンタクトレンズで繁殖する危険があるので、1回使い捨てのソフトレンズがおすすめです。

フィンの選び方
最初に断言してしまいますが、このようなシュノーケリング用といわれるフィンは全くおすすめできません。
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理由は単純で、このようなフィンではたいした推進力が得られないからです。
このようなフィンは、もともとは水泳の選手が足首の柔軟性やキック力やキック効率の強化のために使っていたトレーニング用のフィンで、ダイビングやシュノーケリングのためのフィンではありません。
こんなフィンを履くくらいなら、普通にクロールで泳いだほうがよっぽど進みます(笑)

フィンを履く目的は「楽に長時間泳ぐこと」と、潮の流れに捕まった時に脱出できる「十分な瞬発力を得る」ことです。このようなフィンでは、どちらの目的にもかないません。
また、このようなフィンは水泳のように細かくたくさん蹴ることが必要になるので、魚を驚かせてしまいますし、なによりバシャバシャと見た目がよろしくありません。
やはり、ダイビング用のフィンを使って、ゆったりと大きなストロークで優雅に泳ぐほうが楽にシュノーケリングを楽しむことができます。

シュノーケリングの定番フィンと言えばGullのミューです。
最低でも、このくらいの長さのフィンが必要だと思ってください。
このシリーズには、さらに長いスーパー・ミューやワープというシリーズがあります。
いずれもゴムの質が良くて、履きやすく十分な推進力を得られる優れたフィンです。
脚力の弱い方でも、きちんとキックすれば普通に使いこなせます。
ただし問題が一つあって、それは「値段が高い」こと。
ミューが12,000円、ワープはその倍くらいのお値段です。

そこで値段のことも考えて、私がおすすめするのは、これ。

あのジャック・マイヨールのスポンサーもしていた一流メーカー、クレッシーサブのAGUAです。
プラスチックフィンなので値段も3,000円台とお安く、性能的にはミューやスーパーミューと同等です。国産メーカーのTUSAなどからも同様のフィンが同様の価格で出ていますが、どれも大差ないでしょう。繰り返しますが、シュノーケリングをやるには最低でもこのくらいの長さのフィンが必要です。
もちろんフィンが長くなった分だけ、サンゴを蹴らないような配慮と技術が必要です。

大きなフィンだと疲れるのでは?
こういった本格的なフィンを勧めると、初心者の方は「足が痛くならないか」「疲れちゃうんじゃないか」と心配されますが、長いフィンを使う最大の目的は「楽をすること」です。
スピアフィッシングをやる人は、20~30mも潜って1分間息をこらえて魚を取ってきますが、彼らが使うフィンは80㎝以上もあるロングフィンです。
彼らがこのようなフィンを使う最大の理由は「疲れないため」。疲れたら息が上がって水中に長時間いられませんからね。
3、4時間泳いで魚を探して2~30m潜って突いてくるくるんですから、最大限に楽に泳げるフィンでないと話にならないのです。
ですので「長いフィンは疲れそう」ではなく「長いフィンほど疲れない」と考えてください。

ただし、長いフィンで楽に泳ぐためには、それ相応のフィンキックの技術が必要です。
そのコツは「長いフィンほどゆっくり大きく動かす」ことです。
シュノーケリング用と言われている水泳のトレーニングフィンは、クロールと同じようなテンポでキックをしなければ進みません(本来が水泳用なんだから当然です)。
これに対して、ミューやワープのようなダイビングフィンは、ゆっくりと散歩をする歩調くらいのテンポでキックをし、ロングフィンではさらにゆっくりと大きくフィンを動かします。

イメージとしては、腿の下にある水の塊が腿~膝~脛~足~フィンと順に送られていき、最後に大きくしなったフィンの先端が水の塊を弾き出すような感じです。
こちらの動画を見ると、ゆったりと泳ぐイメージがわかるかと思います。
これは水中での映像ですが、海面でもフィンキックのイメージは同じです。違うのはフィンを空中に出さず、常に水中でキックするように注意する点だけです。

これだけゆったりとリラックスして泳げるようになれば、魚が驚いて逃げ出すこともなくなりますよ。

フルフットかオープンヒールか?
ダイビングフィンには、靴のように足全体がすっぽり入るフルフットと
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サンダルのように踵をストラップで止めるオープンヒール(ストラップフィン)の二種類があります。
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どちらが良いかといえば、これは足のホールドが断然快適なフルフットフィンしかないでしょう。

素足でフルフットフィンを履くのが最も快適ですが、海に入るまでの磯や砂利浜で足がボロボロになってしまうので、フィンソックスを履いた上からフィンを履くのが一般的です。
このGullの地下足袋のようなソックスはサンダルが履けるので便利です。底が少し厚手になっているものの方が岩場などでは安心です。


このような2~3㎜のネオプレーン製のソックスを履く時のフィンサイズは、素足よりも2㎝ほど大きめになります。

水中でもっとリラックスするために
このように自前の道具を揃えて、その扱いに慣れてきて、ゆったりと泳げるダイビングフィンを使えるようになれば、今よりもリラックスしてシュノーケリングを行うことができます。
さらにリラックスできるようになりたいならば、背の立つ深さのところで海底の岩に捕まって10秒ほど息を止めて海中の様子を見てみましょう。(間違ってもサンゴに捕まってはいけませんよ!)
波の音や砂の音、チリチリという不思議な音など、陸上とは違った世界を感じることができます。
そうして海中でもリラックスできるようになったら、上のプール動画のように海中を泳いでみましょう。りきまず、あわてず、ゆっくりと泳いでいると、海の中がとても心の安まる気持ちの良い空間に思えてきます。
水中でリラックスするためのポイントは、なによりも水になれることです。
たまにプールで泳ぐなどして基本的な水泳力をつけることは、最高に効果的なシュノーケリングの練習になります。

サンゴを守るために
ここまでの技術を身に着けたあなたは、バチャバチャと大騒ぎをして立ち泳ぎをするような観光シュノーケリングの客とは違った、本当のシュノーケラーです。

そうなればサンゴを傷つけることもなく、海を汚すこともなく、安全で自然に優しいシュノーケリングができるようになっているはずです。

サンゴを守るための最善の方法は、シュノーケリングをする人ひとりひとりの技術と知識の向上だと、私は思います。

沖縄の美しい海を子孫にも楽しんでもらうために、みなさんがもう少し本格的にシュノーケリングをやってくれることを願います。


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千葉県に大被害を与えた台風15号に引き続き、さらにヤバそうな台風19号が本土に接近中。
グラフィックス1
これは沖縄の人が良く使ってる台風情報のWindy.com 
気象庁の予報よりも早く長期の予想が見れるので便利です。

950ヘクトパスカルという猛烈な強さですから、最大風速は毎秒50m。瞬間的には60mを超えるでしょう。しかも、この等圧線の集中度をみると相当な強風が吹きそうです。
沖縄でもこの強さの台風が来ると電柱の倒壊や大規模停電、家屋や車などの損害がでますから、強度設定が低い内地の構造物は、さらに甚大な被害がでることが予想されます。

屋根が飛ぶ、電柱が倒れる、看板がちぎれて空を飛ぶ、車が転がる、高潮・洪水で浸水被害が出る、、、そんなことが普通に起きるレベルの台風です。
運動会の心配してる場合じゃありませんよ!!!!

沖縄の家は、壁から屋根までコンクリートの一体構造ですから、雨戸さえしっかり閉じてしまえば、建物の被害がでることはほとんどありません。

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それでも、こないだの台風では手前のブロック塀が倒壊しましたけどね。
まぁ、このくらいは大したことありませんw
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むしろ、鉄筋も入ってない積んだだけのブロック塀で、いままで40年以上もよく持っていたなぁと(笑)

この時の最大風速が毎秒55m。今回はこれ以上の台風が本土を直撃するんですよ。
ということで、台風慣れしていないナイチャーの方々に、宮古島在住5年のわたくしが台風対策の基本をお教えしましょう 。
<(`^´)>エッヘン!!

まずは風対策
風速40m程度だと沖縄の人は「そよ風」といいますが、それでも物が飛ばないように、飛んできた物が窓を突き破らないように、以下のような対策を施します。こうした万全の対策が台風被害を未然に防いでいるんですね。
まぁ、風速60m、70mという台風がきても、やることは同じなんですが(笑)

・窓は雨戸できっちり閉じる。
強風で押されるだけでなく、雨戸が引っ張られて外れることもあるので大きな雨戸は横木で押さえます。
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・雨戸が無い窓はネットで飛散物対策
ウッドデッキの柱や電柱などを利用してネットを張っています。
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雨戸もネットも使えない時は、ガラスに養生テープを貼って万一の時の飛散を防止すると言われていますが、養生テープって簡単に切れるし、アメリカ政府機関は「ガラスにテープを貼るとガラス自体の強度が低下するし、飛散する破片が大きくなるので逆効果」という見解だそうです
どっちが本当かはわかりませんが、沖縄ではガラスにテープを貼っているのを見たことありません。
・網戸は外す
サッシレールの一番外側にはめるタイプの網戸(普通の網戸はこれ)は、風で外れて飛びます。
外して室内に保管しましょう。

・サッシの漏水対策
 アルミサッシのレールから強風で押された雨水が湧き出してくるので新聞紙を詰め込みます。
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・飛散対策
植木鉢、プランターはもちろん、自転車、バイク、プランターの台、ポスト、犬小屋、テーブル、椅子、物干し竿、看板など、飛びそうなものは全て収納するか、ロープで固定します。
物置なども倒壊の危険があるので沖縄ではワイヤーで固定していますが、内地だとそこまではやってないですよね。
屋根だけのカーポートなども吹き飛ぶ危険性があります。
お店の看板やサインボードなども危険です。重い自動販売機でも倒れます。
植木は倒れる可能性が高いので、できるだけ枝をおろして根元にブロックを積んだり、材木で支えるなどの対策をしておきましょう。あ、おろした枝もちゃんと始末してくださいね。
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・雨樋い、側溝の掃除
枯葉やゴミで雨樋や排水溝が詰まっていると、水が溜まったり、吹き返して思わぬ水害を招きます。雨水がスムースに流れるように掃除しておきましょう。

車対策
車は空き箱とおなじなんで、40mの風でも転がります。
まずは満タンにして、重いものを中に詰め込んでおきましょう。
吹き曝しの駐車場に止めてある車であれば、風の当たりにくい壁沿いのところに移動するのも良いでしょう。その壁が倒れたら意味ありませんけどw

停電対策
千葉の台風でも一番問題になった停電。いまやライフラインNo.1ですね。
電柱の倒壊はもちろん、宅内への引き込み配線の断線などでも停電します。
オール電化の家ではなにもできなくなりますし、ポンプで給水しているビルでは断水になってトイレの水も流せなくなります。

・冷蔵庫
停電で一番困るのが冷蔵庫。
台風が来るとなったら冷凍食品や腐りやすいものは、先に食べたほうがいいです。アイスとかは真っ先に(笑)
そしてありったけのペットボトルに水を入れて、冷凍庫で凍らせておきます。
これで開け閉めをしなければ停電しても2日間くらいは大丈夫。
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冷凍庫で凍らせたペットボトルを冷蔵室にいれておけば、停電しても冷たいビールが飲めます(笑)

・カセットコンロ
オール電化でIHのおうちでは停電すると火が使えませんから、カセットコンロは必需品。
こんな奴ですね。まぁ、どこのお家にも鍋用にあると思いますけど。
いざ使おうとしたらつかない!とか、ガスボンベが無い!とかにならないように、チェックしておきましょう。

水と火さえあれば鍋でご飯は炊けるし、麺類も茹でられるし、お好み焼きもできます。
あとはレトルトのカレーやパスタソース、カップ麺、パンなどがあればひと月くらい楽勝で生きていけますw

・照明
昔懐かしいロウソクでもいいですが火事の心配もありますんで、こんなLEDランタンがあると助かります。これは充電、電池、ソーラー、手回しのいずれでも使えるのでとっても便利。

懐中電灯やヘッドライトは防水仕様のものがいいです。


近頃は単三電池ではなく18650規格の充電池を使ったものもありますが、いざという時に充電できてないとなると意味がないので、単三電池使用のものが安心です。充電池を使いたければ単三型充電池を使えばいいだけですからね。

・カーインバーター
台風が過ぎ去った後でもすぐに停電は復旧できないのは、千葉の例を見てもわかりますね。
台風慣れしている宮古島でも2日間くらいの停電は普通です。
そんな時には車のシガーライターから電気を取るコンバーターがあると便利です。
停電時にはブレーカーを落とす
停電が復旧して通電した時に火災が起こることがあります。
停電が長期になる場合や、家を離れて避難所などに行く際には、ブレーカーを全て落としましょう。
通電火災について


近頃のマンションはタンクからの落下式ではなく、ポンプで汲み上げる方式が主流なので、停電=断水になることもあります。断水したらトイレの水も流せなくなるんで、飲料水以外にも風呂桶に水を張っておくなど、生活用水を確保しておきましょう。

通信
停電すればTVも見れないしWiFiも使えないし、アンテナが倒れれば携帯もつながらない。
現代人にとっては情報途絶が一番心理的ダメージが大きいんじゃないでしょうか。特に仕事で「今日ネットにつながらないと100万円すっとぶー!!!」とかいう人もいるかもですね。

被災時の一番確かな情報手段はポータブルラジオ。
こんな昔ながらの奴が一番頼りになります。
ネット回線については光ケーブル自体が切れている可能性もあるので、普及にはかなり時間がかかるケースもあります。
ですから近くのフリースポットかネットカフェなどを利用することになります。
図書館などの公的施設でフリーWiFiを設置しているところもあります。
意外と穴場なのは空港。情報が途絶したら仕事になりませんので回線は最優先で復旧されますし、カフェもあるので快適にお仕事ができます。

台風通過後の注意
台風が通過した後でも危険が無くなったわけではありません。
河川や海に近づかないのは当然ですが、冠水した道路を不用意に歩くと蓋が外れたマンホールに落ちることもあります。詰まった側溝を掃除していて流された人もいます。側溝って捕まるところが無いから、ハマるととっても危険なんですね。
電柱から垂れている電線なども電気が切れているかどうかわからないので、絶対に触ってはいけません。
千葉の台風の後、屋根の修理などで落ちてケガをする人が相次ぎましたが、高所作業は必ず安全帯をしてロープで体を確保して行いましょう。


台風19号の被害が最小ですむことを祈ります。


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