今日はちょっとお堅い話です。

宮古島の観光客がとうとう100万人を突破したそうです。
伊良部大橋開通前は40万人程度だったのが2.5倍に。。。。

石垣島に比べても観光開発が遅れていた宮古島。
宿は東急リゾートやユニマットグループが経営するシギラリゾート以外には、ビジネスホテルと家族経営の民宿しかありませんでした。宮古に来る人は宮古にほれ込んだリピーターが多かったので、そーゆー宿に「今年も帰ってきました~!」って行くのが楽しみだったんですよね。そして、それで需要と供給のバランスがとれてました。

それが伊良部大橋開通でTVにバンバン露出することで、一気にリゾート客が増加。
さらに下地島国際空港の開港で、三菱や森トラスト、星野リゾートといった大手が島の土地を買い占めて、なんと地価が500倍になるところまで!!!
良いところに土地をもっていた人は、億万長者です。
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(海岸の森を切っての建設では、土砂の海への流入による水質汚染、サンゴへのダメージが避けられません)

さらにさらに、自衛隊基地建設の大規模工事は始まるわ、市庁舎、総合庁舎の新築が始まるわで、いまや島全体が工事現場となってます。
下地トシヒコ市長の補助金土建行政が大成功。土建業者は大喜び♡

ところが好事魔多し。
島の建築会社と建築業従事者だけで、これだけの工事がこなせるわけがありません。量的にも質的にも。それで内地から労働者を大量に呼び込んだわけですが、内地から労働者を招けば宿泊施設が必要です。

ビジネスホテルや民宿では間に合わないので、島のアパート、ウィークリーマンション、戸建て借家を内地の企業が金に糸目をつけずに長期借り上げを始めました。

どんだけ糸目をつけなかったかというと、家賃3万5千円の1DKを家賃13万円で押さえた例もあるとか。。。。
 
「内地の企業に貸せば倍は取れる!!!」
島のアパートオーナーは、空き部屋がでるとそれを内地の業者に高額で貸します。
空き部屋がなかったら?
居住者に家賃値上げを通知します。それで家賃が上がればOK。店子が出て行ってくれれば内地の業者に貸せるので、さらに嬉しい。というどっちに転んでも美味しい話。

日本の借地借家法ってのは、圧倒的に店子に有利にできていて、無法な居座り同然の店子でも追い出すのは大騒ぎですし、家賃の値上げも店子が「イヤ」といえば値上げできないんですが、島の人たちには物事を法律で解決する習慣がないので(そもそも法律を知らない)、大家のめちゃくちゃな理由(息子が帰ってくるから、この部屋を空けてくれ、とか、とんでもない理由ですw)のままに立ち退いてしまいます。
家賃の値上げも無法状態で、来月から3万値上げ!とか一方的に言われたケースもあるんだとか。

島民の平均月収が15万円といわれる島で、8万とか10万の家賃が払えるわけがありません。
それで住むところが確保できなくなった人が、沖縄や内地に職を探して引っ越しすケースも出てきています。

さらに、家賃相場の急上昇で空地にアパートを建てる人が急増。
資材と人工も足りないなかで、あちこちで建設が進んでいます。
今や、建築コストは坪150万円。型枠大工の日当が内地から来た者だと35,000円。島の人だと15,000円なんだそうで、まさに狂乱バブル。
これ、建設工事が終わって建築関係者が引き上げたらどうするんでしょうかね。建築が終わることにはバブルも終わってると思うんですけど、よく銀行が融資したもんだと不思議です。
まぁ、日本の銀行が担保に取っているのは土地家屋じゃなくて借り手の人生ですから、銀行は大丈夫かもしれません。借りた人は身ぐるみ剥がれますけどね。

このバブルで何が起こり、どういった結末を迎えるかは、1990年代のバブル崩壊を経験した人には一目瞭然ですね。

普通に島で暮らしていた人にとって、一番恐ろしいのは相続。
今まで普通に住んでいた土地に億単位の評価がつけば、相続税は払えません。
相続税の納付期限は非常に短いので、足元を見られた値段で慌てて売って、残った金を親戚兄弟で分ければ(島の人は親戚・兄弟が多いんです)、手元にはいくらも残りません。
それで住む家を失くして、自分の家を買おうとしても島の家はバブルでとんでもない値段。少しでも節約したければ内地に行くしかありません。

バブル期に都内の家屋を相続した人たちが、みんな首都圏の片田舎に引っ越していったのと同じことです。

バブルによるコミュニティーの崩壊、土建屋行政の負の遺産、リゾート開発の成れの果て。
内地の人間には見慣れた光景に、島の人々は直面することになります。


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