なんだか宮古島のブログというより、DIYブログになっていますが(笑)
まぁ、田舎暮らしは自分でやることが色々あるんですよね。
お金を出して誰かに頼むこともできますが、それでは生活の楽しみが無いわけでして。
自分自身でいろんなことにチャレンジするのが生活を楽しむ基本だと思います。

宮古島は台風銀座と言われているほど台風が頻繁に来ます。
それも洋上で発達した奴がもろに襲撃するので、風速60m、70mは当たり前。
50m未満だと「そよ風台風」と島の人は大して気にもしません。(本当です!)

うちは道路に面した壁に大きな窓が二つあって、そこが危険個所なんです。
なにが危険かというと、風で飛んでくる物。
以前にへし折れた道路標識がマンションの2階の部屋に飛び込んだという事故もあったくらいで、台風で一番怖いのは飛来物なんです。

今までは壁にボルト穴を打って、おっぺしたベニヤ板を角材で押さえて窓を塞いでいたんですが、まぁ見た目も悪いし、私が不在の時に台風がきたら、オクサマではこんなことはできないんで、ちゃんとした雨戸を作ろうと、移住6年目にして一念発起したわけです。(遅いよw)
(襖で台風がしのげるか!と思われた方。宮古の襖ってベニヤ板に化粧紙を貼った「なんちゃって襖」なんですよーw)
P9260014

幸い窓の上下に2か所づつボルトが固定できるようになっているので、ここに雨戸のレールを取り付けて、そこにハマる大きさの雨戸を作ればいいということで、まずはレールづくりから。
木工所や材木屋に頼めば加工してくれますが、ここはDIY魂を奮い立たせて自作に挑戦!

沖縄の家はスラブヤーと言って、コンクリートブロックを積み上げたものなので、壁にドリルで穴を穿ってボルトアンカーを埋め込むことができます。

べニアの押さえに使っていた角材をそのまま流用します。
この角材は二つ割といって90㎜X45㎜の角材です。
これに幅27㎜の角材がはまる深さ15mmの溝を切ってレールにします。

さすがにノミで溝を掘るのは大変なので、トリマーという電動工具を使います。
P6150035
ドリルのような道具なんですが、ドリルと違うのは側面に刃が付いたビット(中心の赤いもの)が回転して木を削ってくれること。
写真の溝は10㎜の溝切ビットを使って掘りました。材木を横にずらして何度も掘れば必要な幅の溝を切ることができます。
溝切りのほかにもビットを変えれば材木の側面を色々な形に削ることができます。
テーブルの縁にある、こんな飾りもトリマーで削ったものです。
P6170002
欧米の家具の複雑な装飾も、ほとんどがこのようなトリマーによる加工です。
作りたい装飾の数だけビットが必要になりますが、最初は基本的なビットのセットを買って、慣れてきたら特殊ビットを買い足すのが良いと思います。このメーカーのビットのセットは、あまりに安いので不安でしたが、5年間問題なく使えています。


私が使っているトリマーはDeWalt社製のDWP611PKという製品です。

この方のブログに詳しく紹介されていますが、やはりトリマー加工の先進国であるアメリカの製品だけあって、日本のものよりも機能が優れています。

電動工具はなんでもそうですが、工具を使うためのセッティングが大事です。
溝を掘りたい位置をビットが正確に通過するように、ガイドをセットして、そのガイドに沿って工具を進めていくので、ガイドが間違っていたら全てパァです。
特にトリマーは高回転高トルクの道具なのでガイド無しのフリーハンドでは制御不可能です。
P6150031
そのために色々なテンプレートやガイドを使うのですが、トリマーの難しさは、このガイドのセッティングに尽きるといっても過言ではないでしょう。
トリマーに興味がある人は、この本が入門書として非常にわかりやすいので参考にしてください。


私は材木をクランプで固定してガイド替わりにしていますが、これだとガイドの設定がややこしいのと、精度がイマイチなので家具などの精度が必要なものを作る人は、専用の木工テーブルを買った方が良いでしょうね。

ハンドトリマーでは一度に削れる深さや幅に限りがあるので、何度かにわけて必要な幅と深さまで掘っていきます。
削ってから「あ!違ってた!!!」となると取り返しがつかないので、ちょっと削って現物合わせでガイドのセッティングが正しいことを確認します。
P6150037
電動工具は便利ですが、切削面の仕上がりが汚いので最後は伝統の手道具で仕上げます。
P6150038
雨戸の枠になる材木がぴったりと収まるレールができました。
P6150040